松本に、こんなにも水が湧いているわけは?

豊かな湧水の秘密は……

松本の町は、古くは「深志」と呼ばれていましたが、これは「深瀬」から転じたといわれ、昔から松本は水が豊富な土地だったことがうかがえます。
松本に豊かな湧水をもたらす源は、東に連なる美ヶ原などの2000m級の山々と、西に聳える3000m級の北アルプスの峰々。
そして、そこから流れ出る幾筋もの河川です。
河川の伏流水や、山々に降り注いだ雨や雪が地中に浸透して蓄えられ、濾過されて、町なかの湧水となって出てくるのです。
「庭をちょっと掘れば水が湧いてくる」家も多く、水道も市内中心部では地下水が供給されているほど。
松本の豊かな湧水は、岳都とも呼ばれる山国ならではの自然の恵みなのです。

湧水は五感で味わいましょう

松本の市井の井戸は、掘れば自然に水が湧き出る自噴井戸がほとんどで、釣瓶や手押しポンプのある井戸はあまり見かけません。
多くの井戸水は飲むことができますが、 自然が育んだ水だけに、場所によって味が違いますし、また同じ水でも季節や日によって味は微妙に変わります。
年間を通じて水温がほぼ一定なので、夏は冷たく冬は温かく感じるのも地下水の特徴です。
飲んで喉を潤すのもいいですが、手を浸し、音を聞き、湧き上がるさま、流れるさまを見つめたりするのも、五感が刺激されて気持ちがいいものですよ。